システム開発会社のファクタリングガイド|受注から入金まで長期化する資金繰り対策【2026年】
受注は獲得できているにもかかわらず資金が不足するという状況は、システム開発会社・IT企業が直面しやすい課題です。業界に特有の長い支払いサイトと、先に発生するエンジニアの人件費が原因です。
受注から完了まで3〜12ヶ月、完了から入金まで30〜90日かかるなど、IT業界のプロジェクト型の事業は、資金繰りのタイミングが最も難しい業種の一つです。この記事では、システム開発会社・SES企業・IT企業がファクタリングを活用して資金繰りを改善する方法を解説します。
IT・システム開発業界の資金繰りの特性
プロジェクト型の事業のキャッシュフローの課題
【大型受注案件の場合】
受注確定(0ヶ月目)
↓
要件定義・設計(1〜3ヶ月目):人件費・外注費が先行
↓
開発・テスト(4〜9ヶ月目):人件費・サーバー費用が継続
↓
納品・検収(10〜12ヶ月目):請求書発行
↓
入金(13〜14ヶ月目):最終入金
受注から入金まで1年以上かかる大型案件では、この間、支出のみが続きます。
SES(システムエンジニアリングサービス)の請求書の課題
SES企業(エンジニアを派遣・常駐させる事業)では、毎月請求書が発生しますが、以下の課題があります。
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 支払いサイト | 月末締め翌月末払い(最大60日) |
| 単価の交渉 | 案件ごとに単価が変動 |
| 人件費の先行 | エンジニアの給与は毎月15〜25日 |
| クライアントの事情 | 大手SIerからの発注は、支払い遅延のリスクがある |
毎月発生するキャッシュフローの不足:
- エンジニアの給与の支払い:15〜25日
- SESの請求書の入金:翌月末(最大45日後)
- → 毎月15〜45日の資金の不足期間
IT・システム開発業でファクタリングを活用できる場面
場面1:SESの月次請求書の即日での現金化
SES企業にとって最も活用しやすいのが、毎月の常駐エンジニアの請求書のファクタリングです。
例:
- SESの月次請求書:500万円(10名×50万円)
- 発注元:大手SIer(信用力が高い)
- ファクタリング手数料3% → 受取額485万円
- 活用:エンジニアの給与500万円の支払いに充当
場面2:開発完了後の検収待ちの期間の資金確保
プロジェクトの完了後、クライアントの検収(確認・承認)を待つ期間に資金が必要な場合、完成した成果物の請求書をファクタリングで前倒しして回収できます。
場面3:受注後の先行開発費の確保(注文書ファクタリング)
大型案件の受注確定後、開発の着手前に人件費・インフラ費用が必要な場合は、注文書ファクタリングを活用できます。
必要書類:
- システム開発請負契約書
- 注文書・発注書
- 案件のスケジュール・概算見積もり
IT業界のファクタリングの審査における有利な条件
IT業界の請求書が審査で有利な理由
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 発注元の信用力 | 大手SIer・上場企業が多い |
| 取引の継続性 | SESは毎月継続的に発生する |
| 金額の安定性 | エンジニア単価が安定 |
| 書面の整備 | IT業界は契約書・発注書が整備されている |
審査では、売掛先の信用力が中心に見られます(トップ・マネジメントの公式FAQの比較表は審査対象を「売掛先の信用力が中心」と記載)。大手SIer(NTTデータ・富士通・NEC・アクセンチュア等)への請求書でも、手数料は方式や金額などで変わるため、見積もりで確認してください。
IT業界で審査が難しいケース
- 個人のフリーランスへの請求(個人への請求は信用力が低い)
- 新規クライアントへの初回の請求書
- 成功報酬型の案件(完了まで金額が確定しない)
- 海外クライアントへの請求
IT・システム開発会社向けのおすすめファクタリング会社
※順位は掲載順で、公式表示の優劣を示すものではありません。
1位:ビートレーディング
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 2社間4%〜/3社間2%〜(上限は公式に記載なし) |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 対応金額 | 上限なし |
| IT業界対応 | ◎ |
| 実績 | 累計91,000社以上 |
| 注文書対応 | ○ |
IT業界の請求書への対応実績が豊富です。SES企業・システム開発会社のさまざまな請求書に対応しています。注文書ファクタリングにも対応しており、開発の着手前の資金確保も可能です。
2位:アクセルファクター
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 2社間1〜12%/3社間0.5〜10.5% |
| 入金スピード | 最短2時間(公式コラム)。審査結果は最短1時間(公式FAQ) |
| 審査通過率 | 93%超(公式コラム) |
| IT業界対応 | ◎ |
手数料は3社間0.5%〜(2社間1%〜)です。
3位:QuQuMo
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 1%〜(上限非公表) |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 書類 | 見積もり時は全口座の入出金明細(直近3か月分)・請求書、契約時に本人確認書類(個人事業主は開業届または確定申告書・健康保険証も。公式サイト・2026年10月31日確認) |
オンラインで手続きできます。SESの月次請求書を毎月定期的に現金化する場合に、手間を最小限に抑えられます。
4位:PMG
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 個別査定(公式表示は買取率98%=売買手数料2%) |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 対応金額 | 50万〜2億円 |
公式の手数料ページでは「業界最高水準の買取率98%(売買手数料2%)」と表示しています。実際の率は売掛先や売掛金の条件に応じた個別査定です(2026年10月19日確認)。中規模のSES・システム開発会社(月次請求50万円〜)に適しています。
5位:トップマネジメント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 2社間 3.5%〜 / 3社間 0.5%〜(上限は公式に記載なし) |
| 入金スピード | 最短即日 |
| 3社間対応 | ○ |
| 特徴 | 高額対応・建設業・IT |
3社間ファクタリングに対応しています。手数料は2社間3.5%〜・3社間0.5%〜・2.5社間(電ふぁく)1.8%〜で、公式FAQは「業界最低水準の手数料を設定」と説明しています(公式FAQ・2026年10月26日確認)。上限は公式に記載がありません。
SES・システム開発会社の請求書の管理と資金繰りの改善
月次請求書の計画的なファクタリングの活用
SES企業では、毎月複数のクライアントへの請求書が発生します。これらを計画的に管理し、ファクタリングに活用することが重要です。
請求書の管理方法:
| 請求書の種類 | ファクタリングの優先度 | 理由 |
|---|---|---|
| 大手SIer向け | ★★★ 最優先 | 信用力が高い |
| 上場企業向け | ★★★ 最優先 | 信用力が高い |
| 中堅企業向け | ★★ 優先 | 通常の手数料 |
| 中小企業向け | ★ 状況に応じて判断 | 手数料が高めになる可能性 |
フリーランスのエンジニアを活用する場合の注意点
SES企業がフリーランスのエンジニアに発注している場合、エンジニアへの支払いが先行します。
資金の流れの最適化:
- クライアントへの請求書を、ファクタリングで前倒しして回収する
- 回収した資金で、フリーランスのエンジニアへの支払いを行う
- ファクタリングの手数料を、支払いサイトを短縮するための費用として計上する
まとめ
IT・システム開発業界は、長い支払いサイトと先行する人件費という、構造的な資金繰りの課題を持つ業種です。ファクタリングは、この課題に迅速に対応できる手段です。
IT・SES企業におけるファクタリングの主な活用方法は、次の3つです。
- 大手SIer・上場企業への月次請求書を、優先的に活用する
- SES企業は、毎月定期的にファクタリングを利用し、資金の流れを安定させる
- 大型案件は、注文書ファクタリングにより着手前に資金を確保する
IT・SES業界のファクタリングには、ビートレーディング(IT業界に対応・注文書にも対応)かアクセルファクター(手数料3社間0.5%〜/2社間1%〜・審査結果は最短1時間)をおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. フリーランスのエンジニアでも、ファクタリングを利用できますか? A. フリーランスのエンジニアが企業クライアントに発行した請求書があれば、個人事業主向けのファクタリング(ペイトナー・ラボル・FREENANCE等)を利用できます。
Q. SES契約の月次請求書は、まとめてファクタリングできますか? A. ビートレーディング・アクセルファクター等は、複数の請求書の一括買取に対応しています。毎月の請求書をまとめて申し込むことで、手続きを効率化できます。
Q. 開発中の案件(完了前)の請求書は、ファクタリングできますか? A. 完成前の開発案件は、通常の請求書ファクタリングの対象外ですが、注文書ファクタリングであれば対応できる場合があります。ビートレーディングに相談することをおすすめします。
Q. IT企業の海外クライアントへの請求書は、ファクタリングできますか? A. 海外取引の請求書に対応するサービスは限られます。国内クライアントへの請求書から、優先的にファクタリングを活用することをおすすめします。
Q. スタートアップのSaaSサービス(月次のサブスクリプション収入)も、ファクタリングできますか? A. 企業向けのSaaSの月次請求書(BtoB)であれば、ファクタリングの対象となります。個人向けのサブスクリプション収入は対象外です。
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