赤字決算でもファクタリングは利用できるか|審査通過のポイントと注意点【2026年】
赤字決算の場合、銀行融資だけでなくファクタリングも利用できないと考える中小企業・個人事業主の方は少なくありません。
赤字決算でも、ファクタリングは利用できます。赤字により銀行融資を断られた企業が、ファクタリングで資金を調達するケースは多くあります。この記事では、その理由と、赤字の企業が審査に通過するためのポイントを解説します。
赤字決算でもファクタリングを利用できる理由
審査の仕組みが銀行融資と根本的に異なる
銀行融資とファクタリングでは、審査で確認されるポイントがまったく異なります。
| 審査項目 | 銀行融資 | ファクタリング |
|---|---|---|
| 申請者の信用力 | 最も重要 | 参考程度 |
| 決算書・赤字 | 重大なマイナス要因 | 影響は小さい |
| 自己資本比率 | 重要 | ほとんど関係しない |
| 売掛先の信用力 | 関係しない | 最も重要 |
| 請求書の品質 | 関係しない | 重要 |
ファクタリングでは、利用者の経営状態ではなく、売掛先(取引先)の信用力を中心に審査が行われます。取引先が大手企業・上場企業であれば、利用者が赤字決算であっても、審査に通過する可能性は高くなります。
赤字の原因によって審査の扱いが異なる
ファクタリング会社の審査担当者は、赤字の「原因」を重視します。
審査に影響しにくい赤字:
- 設備投資・初期費用による一時的な赤字
- 感染症の流行・自然災害等の外部要因による赤字
- 事業拡大のための投資(採用・マーケティング)による赤字
審査に影響しやすい赤字:
- 複数年にわたる継続的な赤字
- 売上が大幅に減少している状況での赤字
- 売掛先の倒産リスクが高い状況での赤字
赤字決算の企業のファクタリング審査通過率
公表データに基づく審査通過率
主なファクタリング会社の審査通過率(赤字企業を含む):
| 会社名 | 全体の通過率 | 赤字企業への対応 |
|---|---|---|
| アクセルファクター | 93%超(公式コラム) | 赤字でも利用可能(公式FAQ) |
| ベストファクター | 92.2% | 赤字でも利用可能 |
| メンターキャピタル | 92%(2023年実績) | 赤字・税金滞納でも利用可能 |
| ビートレーディング | 非公開 | 赤字でも利用可能 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 非公開 | 赤字でも利用可能 |
表の通過率は各社が独自の基準で集計した全体の値で、赤字企業に限った値ではありません。アクセルファクターの通過率は公式コラムの記載(「アクセルファクターの審査通過率は93%を超えており」/公式コラム・2026年10月25日確認)で、赤字決算でも利用できることは公式FAQに明記されています。
赤字の企業がファクタリングの審査に通過するためのポイント
ポイント1:売掛先(取引先)の規模を重視する
最も重要なのは、「どの取引先への請求書か」です。
審査が有利になる売掛先の特徴:
- 上場企業(東証プライム・スタンダード・グロース)
- 大手企業(売上100億円以上)
- 官公庁・自治体・国立大学等の公的機関
- 医療法人・病院(診療報酬の請求)
審査が難しくなる売掛先の特徴:
- 個人(個人事業主への請求)
- 経営が不安定な中小企業
- 過去に支払遅延があった取引先
赤字決算の企業でも、大手企業への請求書であれば、審査に通過する可能性は大きく高まります。
ポイント2:取引の継続性を示す
初回の取引よりも、継続的な取引実績がある売掛先への請求書のほうが、審査で有利です。
有利な状況:
- 同じ取引先に3ヶ月以上継続して請求している
- 毎月安定した金額の請求書がある
- 過去の入金が遅延なく行われている
申込時には、次のような内容を説明すると効果的です。
- 「この取引先とは○年間取引しています」
- 「毎月○万円の安定した売上があります」
- 「過去に入金の遅延は一度もありません」
ポイント3:赤字の理由を説明する
ファクタリング会社への申込時に赤字の理由を説明することで、審査結果が改善する場合があります。
説明の例:
「昨期の赤字は新店舗の出店に伴う初期費用(設備投資○百万円)によるものです。
売上自体は前期比15%増加しており、今期は黒字転換を見込んでいます。
現在の主要取引先(○○株式会社)との取引は安定して継続しています。」
ポイント4:複数社から見積もりを取る
赤字の企業は、1社の審査結果のみで判断しないことが重要です。審査基準はサービスによって異なるため、複数社に申し込むことで、選択肢が広がります。
赤字の企業に適したファクタリング会社
1. アクセルファクター — 赤字決算でも利用可と公式FAQに明記
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 2社間1〜12%/3社間0.5〜10.5% |
| 入金スピード | 最短2時間(公式コラム)。審査結果は最短1時間(公式FAQ) |
| 審査通過率 | 93%超(公式コラム) |
| 赤字企業への対応 | ○ |
| 最低金額 | 30万円(公式コラム) |
公式FAQでは「ファクタリングは融資ではなく、売掛金の売買なので赤字でもご利用いただけます」としています。売掛先の信用力を中心に審査するため、赤字でも審査に通過できるケースが多くあります。
2. ベストファクター — 審査通過率92.2%
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 2%〜20% |
| 入金スピード | 最短6時間(2社間・必要書類が揃っている場合) |
| 審査通過率 | 92.2% |
| 赤字企業への対応 | ○ |
| 最低金額 | 30万円以上(公式FAQ) |
公式FAQでは、売掛債権の請求額30万円以上から利用できます(公式トップには「10万円〜」の表記もあります)。赤字決算・経営が困難な企業への対応実績も多いとしています。個人事業主の赤字の案件にも対応しています。
3. メンターキャピタル — 赤字・税金滞納でも利用可能
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 非公示(要見積もり・買取率最大98%表記) |
| 入金スピード | 最短即日 |
| 審査通過率 | 92%(2023年1〜12月実績・公式表示) |
| 赤字企業への対応 | ◎ |
| 特徴 | 税金滞納でも利用可能 |
赤字決算・税金滞納でも対応できることを、公式に明示しているサービスです。柔軟な審査を特長としており、他社で断られた案件への対応実績もあるとしています。
4. ビートレーディング — 業界大手
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 2社間4%〜/3社間2%〜(上限は公式に記載なし) |
| 入金スピード | 最短2時間 |
| 累計実績 | 91,000社以上 |
| 赤字企業への対応 | ○ |
累計91,000社以上の実績があります。赤字の企業への対応実績も多く、担当者が状況に応じた提案を行います。
5. 日本中小企業金融サポート機構 — 非営利・手数料1.5%〜
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 1.5%〜(上限は公式に記載なし) |
| 入金スピード | 最短3時間 |
| 運営 | 非営利団体 |
| 赤字企業への対応 | ○ |
非営利団体の経営革新等支援機関として、赤字の企業の支援に積極的に取り組んでいます。手数料は1.5%〜と公式に表示されています(上限率の記載はありません)。
赤字の企業がファクタリングを利用する際の注意点
経営の根本的な改善も同時に進める
ファクタリングは緊急の資金繰りの改善に有効ですが、赤字の根本的な原因を解消しない限り、ファクタリングに繰り返し依存するリスクがあります。
赤字からの脱却に向けた手順:
- 当月:ファクタリングで資金を確保する
- 短期(1〜3ヶ月):費用の削減・入金サイトの短縮交渉を行う
- 中期(3〜12ヶ月):銀行融資・補助金・信用保証協会を活用する
- 長期:黒字化し、銀行融資に切り替える(手数料の費用を削減)
まとめ
赤字決算でも、ファクタリングは利用できます。審査で重視されるのは、利用者の経営状態ではなく、取引先の信用力です。
赤字の企業がファクタリングの審査に通過するために重要な点は、次の3つです。
- 大手企業・上場企業への請求書を優先的に利用する
- 継続取引の実績を審査担当者に説明する
- 複数社に同時に申し込み、選択肢を広げる
赤字決算でも利用できると公式FAQに明記しているアクセルファクターや、メンターキャピタル(赤字・税金滞納への対応を明示)への相談をおすすめします。
よくある質問
Q. 3期連続の赤字でも、ファクタリングを利用できますか? A. 3期連続の赤字でも、売掛先(取引先)の信用力が高ければ利用できます。ただし、複数年の赤字は審査担当者の懸念材料となるため、赤字の原因を明確に説明できるよう準備しておくことが重要です。
Q. 赤字の企業の場合、手数料は高くなりますか? A. 手数料には、申請者の財務状況よりも、売掛先の信用力が影響します。大手企業への請求書であれば、赤字の企業でも標準的な手数料で利用できる場合がほとんどです。
Q. 確定申告書を提出しなければ、利用できませんか? A. 確定申告書・決算書を必須としないオンライン型ファクタリングもありますが、扱いは会社ごとに異なります。ペイトナーの必要書類は請求書・本人確認書類(初回のみ)・直近3か月分の入出金明細です(公式FAQ・2026年10月14日確認)。QuQuMoは個人事業主に開業届または確定申告書一式の提出を求め、PayTodayは決算書(個人事業主は確定申告書B一式)を必要書類に挙げつつFAQでは「必須ではない」としています(いずれも公式サイト・2026年10月31日確認)。これらのサービスでは、赤字かどうかも審査に影響しません。
Q. 赤字でも、注文書ファクタリングを利用できますか? A. ビートレーディングは注文書ファクタリングに対応しており、赤字の企業でも、請求書と同様に利用できます。注文書の段階で資金化できるため、特に建設業・製造業で有効です。
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