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ファクタリングの償還請求権とは|ウィズリコース・ノンリコースの違いをわかりやすく解説

ファクタリングの償還請求権とは|ウィズリコース・ノンリコースの違いをわかりやすく解説

更新日: 2026年11月1日ファクタリング 償還請求権, ノンリコース

ファクタリングの契約書に記載される「償還請求権」の意味を解説します。

ファクタリングを利用する際に必ず確認すべきなのが、償還請求権の有無です。この条件によって、ファクタリングが安全な資金調達手段となるか、リスクのある取引となるかが分かれます。

この記事では、償還請求権の意味、ウィズリコースとノンリコースの違い、実質的な貸付との境界、契約時の注意点を解説します。


償還請求権とは

償還請求権とは、売掛先が売掛金を支払えなくなった場合に、ファクタリング会社が利用者に対して買い戻しを請求できる権利のことです。

具体例

利用者がA社宛ての売掛金100万円をファクタリング会社に売却し、手数料10万円を差し引いた90万円を受け取ったとします。

ノンリコース(償還請求権なし)の場合:

  • A社が倒産して売掛金100万円が回収不能になっても、利用者に影響はありません
  • ファクタリング会社が100万円の損失を負担します
  • 利用者は、すでに受け取った90万円を返す必要はありません

ウィズリコース(償還請求権あり)の場合:

  • A社が倒産して売掛金100万円が回収不能になると、ファクタリング会社が利用者に100万円の支払いを求めます
  • 利用者は90万円を受け取っているため、差額の10万円(手数料分)を含めた100万円を返済する義務があります
  • 実質的に、手数料10万円と買戻し100万円を支払うことになります

ウィズリコースとノンリコースの比較

項目 ノンリコース(償還請求権なし) ウィズリコース(償還請求権あり)
売掛先が倒産した場合 ファクタリング会社が損失を負担 利用者が買い戻す義務あり
利用者のリスク 低い 高い
手数料 比較的高い 比較的低い
法的性質 債権売買(売買契約) 実質的に貸付(金銭消費貸借)の可能性
一般的なファクタリング こちらが標準 注意が必要

ノンリコースを選ぶべき理由

理由1: ファクタリングの本質は「リスクの移転」

ファクタリングの最大のメリットは、売掛先の倒産リスクをファクタリング会社に移転できることです。ノンリコースであれば、売掛先が支払い不能になっても利用者には影響がありません。

ウィズリコースでは、このリスクの移転が実現しないため、ファクタリングの最大のメリットが失われます。

理由2: ウィズリコースは実質的に「貸付」に該当する可能性がある

法律上、償還請求権付きのファクタリングは、実質的に金銭消費貸借(貸付)に該当すると判断される可能性があります。

貸付であれば、貸金業法にもとづく登録が必要です。貸金業登録をしていない業者がウィズリコースのファクタリングを行っている場合、違法な貸付業者(ヤミ金)の可能性があります。

理由3: 金融庁の見解

金融庁は、ファクタリングについて以下の見解を示しています(出典:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」)。

「例えば、譲渡した債権の回収(集金)がファクタリング業者から売主に委託されており、売主が集金できなかった場合に、○ 売主が債権を買い戻すこととされている ○ 売主自身の資金によりファクタリング業者に支払をしなければならないこととされている などといったようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります。」

金融庁は、売掛先の不払いリスクを売主(利用者)が負うウィズリコース型のファクタリングは、貸金業に該当するおそれがあるとしています。


ウィズリコースが正当な場合もある

ウィズリコースがすべて違法というわけではありません。以下のケースでは、合法的にウィズリコースが用いられます。

銀行のファクタリング

銀行は、貸金業法ではなく銀行法にもとづいて営業しているため、銀行が提供するウィズリコースのファクタリングは合法です。手数料も低く、大企業向けのサービスとして広く利用されています。

3社間ファクタリングの一部

3社間ファクタリングでは、売掛先の承諾を得たうえで、ウィズリコースの条件を設定するケースがあります。この場合、利用者は、売掛先が支払い不能になるリスクを理解したうえで、低い手数料を選択することになります。


ファクタリングと貸付の境界

判断基準 ファクタリング(売買) 貸付
償還請求権 なし(ノンリコース) あり(ウィズリコース)
売掛先の倒産リスク ファクタリング会社が負担 利用者が負担
法的性質 債権譲渡(売買契約) 金銭消費貸借契約
必要な許認可 なし(売買のため) 貸金業登録
金利規制 適用なし(手数料) 利息制限法が適用

ただし、ノンリコースであっても、契約内容によっては、実質的に貸付と判断される場合があります。例えば、以下のような条件がある場合は注意が必要です。

  • 買い戻し条項が実質的に償還請求権と同じ効果を持つ
  • 売掛先が支払わなかった分を、利用者が自己資金で支払うこととされている(金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」が挙げる例)
  • 分割払いの返済スケジュールがある
  • ファクタリング会社が売掛先に直接回収しない

契約書で確認すべき5つのポイント

ポイント1: 「償還請求権なし」の明記

契約書に「償還請求権なし(ノンリコース)」と明記されているかを確認してください。「償還請求権」に一切触れられていない場合は、必ずファクタリング会社に確認してください。

ポイント2: 買い戻し条項の有無

「償還請求権なし」と記載されていても、別の条項で実質的な買戻し義務が規定されていないかを確認します。

注意が必要な表現の例:

  • 「売掛先が支払いを遅延した場合、利用者が代わりに支払う」
  • 「売掛金が回収不能の場合、利用者に求償する」
  • 「債権の瑕疵(かし)が判明した場合、売買契約を解除する」

ポイント3: 手数料の内訳

手数料に何が含まれているかを確認します。事務手数料、審査手数料、振込手数料などが別途加算され、実質的な費用が大幅に増えるケースもあります。

ポイント4: 債権譲渡の登記

2社間ファクタリングの場合、債権譲渡登記が必要になることがあります。登記費用(登録免許税7,500円+司法書士報酬)が追加で発生するため、事前に確認してください。

ポイント5: 契約書の交付

契約書の控えを必ず受け取ってください。契約書を渡さない業者は、悪質業者の可能性が高いといえます。ファクタリング契約書の注意点もあわせてご覧ください。


悪質業者を見分けるチェックリスト

以下に該当する場合は、悪質業者(ヤミ金)の可能性があります。

チェック項目 正常な業者 悪質業者の疑い
償還請求権 なし(ノンリコース) あり(かつ貸金業の登録なし)
手数料 公式サイトや見積もりで明示される 明示しない、または他社の見積もりと比べて極端に高い
契約書 事前に内容を確認できる 提示されない、または当日その場で署名を求められる
担保・保証人 不要 求められる
表現 「手数料」「買取」 「金利」「利息」「返済」
給与ファクタリング 取り扱わない 勧めてくる

給与ファクタリングは違法です。 給与(労働債権)の売買を勧める業者は、貸金業登録をしていないヤミ金業者です。


よくある質問(FAQ)

Q. ノンリコースであれば、売掛先が倒産しても何もする必要はありませんか?

基本的には、そのとおりです。ただし、利用者が故意に虚偽の売掛金を売却した場合は別です。 架空の請求書や二重譲渡は、詐欺罪に該当します。正当な取引にもとづく売掛金であれば、売掛先が倒産しても、買戻しの義務はありません。

Q. ウィズリコースのほうが手数料が安い場合、そちらを選ぶほうが有利ですか?

一見有利に見えますが、売掛先が倒産するリスクを自社で負うことを意味します。手数料の差は、保険料と考えてください。ノンリコースの手数料は、倒産リスクを回避するための費用です。

Q. 契約書に「ノンリコース」とも「ウィズリコース」とも記載されていない場合は?

必ずファクタリング会社に確認してください。口頭での説明だけでなく、書面で「償還請求権なし」と明記するよう求めてください。明記を拒む会社の利用は避けてください。


まとめ

ファクタリングの契約で最も重要なのは、償還請求権の有無です。

ノンリコース ウィズリコース
売掛先の倒産時 利用者に影響なし 買戻し義務あり
おすすめ度 ★★★★★ ★★☆☆☆(注意が必要)
法的リスク 低い 貸付と判断される可能性

選ぶべきは、ノンリコース(償還請求権なし)です。 ウィズリコースは手数料が安い一方で、売掛先の倒産リスクを自社で負うことになり、ファクタリングの最大のメリットが失われます。

契約書を必ず確認し、「償還請求権なし」と明記されていることを確かめてください。不明な点があれば、署名する前に、弁護士や商工会議所の無料相談を活用してください。ファクタリングの基本的な仕組みは、ファクタリングとはで解説しています。


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この記事は2026年4月時点の情報に基づいています。各サービスの最新情報は公式サイトでご確認ください。


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