ファクタリングとRBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)の違い|対象・支払い方・契約の形を比較
ファクタリングとRBF(レベニュー・ベースド・ファイナンス)の一番の違いは、資金のもとになるものです。ファクタリングは、すでに発行した請求書の売掛金を売って、支払期日より前に代金を受け取ります。RBFは、これから発生する売上の見込みをもとにまとまった資金を受け取り、その後の売上の中から決められた額を支払っていきます。
RBFの支払い方は、売上に合わせて変わるとは限らず、提供会社によって異なります。Yoiiの解説記事は、RBFの代表的な支払い方法として、一定額を支払う「Flat fee(定額型)」と、売上に応じて支払額が変動する「Variable collection(売上連動型)」の2つを挙げ、Yoii Fuelは定額型を採用していると説明しています(2026年11月6日確認)。本記事では、RBFを提供している会社の公式ページの説明と、金融庁のページ・民法の条文から、2つの違いを整理します。ファクタリングの基本はファクタリングとは、借入との違いはファクタリングとビジネスローンの違いでご案内しています。
ファクタリングとRBFの基本
ファクタリング:発行済みの請求書(売掛金)を売る取引
金融庁は「ファクタリングの利用に関する注意喚起」で、ファクタリングを「事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です」と説明しています(金融庁・2026年11月6日確認)。
対象は、取引先に請求書を出したあとの売掛金です。受け取れる額は、売る売掛金の額面から手数料を差し引いた金額が上限になります。請求書ごとに申し込み、売掛金の支払期日がくれば、その取引は終わります。
RBF:将来の売上の見込みをもとに資金を受け取る取引
RBFを提供している会社は、公式ページで次のように説明しています(いずれも2026年11月6日確認)。
- Yoii(Yoii Fuel):「将来発生する売上から、いま必要な資金を調達できるレベニュー・ベースド・ファイナンシング(RBF)」
- Fivot(Flex Capital):「企業の将来の売上見込みに基づいて資金を提供する新しい資金調達手段です。6ヶ月から12ヶ月までの将来の売上から先に資金を得ることができ」
- Square(Square 資金調達):「加盟店さまが将来Squareで生み出す売上をあらかじめ譲渡することで、前払いとして資金調達を受ける仕組みです」(Squareはこのサービスを「RBF」とは呼んでいませんが、将来の売上を前払いで受け取り、売上から差し引く仕組みのため、比較の例として取り上げます)
RBFは、まだ請求書が出ていない売上を対象にする点がファクタリングと異なります。Fivotは公式ページで「ファクタリングが発行済の請求書を必要とするのに対し、未確定の売上やBtoCの売上でも利用することができます」と書いています。
なお、2026年11月6日の時点で、金融庁や中小企業庁がRBFという言葉で仕組みや扱いを説明したページは、当サイトでは見つけられませんでした。本記事のRBFの説明は、提供会社の公式ページの記載によるものです。
違いの一覧
| 比べる点 | ファクタリング | RBF(公式ページで確認した例) |
|---|---|---|
| 資金のもとになるもの | 発行済みの請求書の売掛金 | これから発生する売上の見込み(未確定の売上や、一般消費者向けの売上も対象とする会社がある) |
| 受け取れる額の目安 | 売る売掛金の額面が上限 | 売上の実績と見込みから提供会社が決める(Yoiiは「数百万円~数億円」、Fivotは100万円〜3,000万円、Squareは15,000円〜3,000万円) |
| 手続きの単位 | 請求書ごと | 契約ごと(Yoiiは「請求書ごとの手続き」を「不要」と記載) |
| 支払い方 | 2社間:利用者が売掛金を回収して支払う/3社間:売掛先がファクタリング会社に直接支払う | Squareは売上から「一定の割合」を自動で差し引く。Yoiiは翌月または翌々月末から「均等にお戻し」 |
| 期間 | 売掛金の支払期日まで | Yoiiは最大12か月、Fivotは6〜12ヶ月。Squareは精算期限を「制限なし」と記載 |
| 契約の形(公式の説明) | 債権の売買(債権譲渡)契約(金融庁) | Yoii・Fivotは「将来債権譲渡」契約と説明。Squareは「貸付ではありません」と記載 |
| 対象の事業者 | 当サイト掲載53社のうち34社が個人事業主・フリーランスを対象に含むと記載 | Yoii・Fivotは法人のみ。Squareは個人事業主も申し込めると記載 |
出典:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」、Yoii「Yoii Fuel」トップページ・よくある質問、Fivot「Flex Capital」RBFのページ・よくあるご質問、Square「Square 資金調達」。いずれも2026年11月6日に確認しました。ファクタリングの社数は、当サイト掲載53社の公式表示(主に2026年10月14日〜11月6日確認)を、53社の公式表示の集計と同じ基準で数えたものです。
契約の形:公式の説明と条文
まだ発生していない債権も譲渡できる
民法第466条の6第1項は「債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない」と定めています。同条第2項は、譲渡の時点で債権がまだ発生していないときは「譲受人は、発生した債権を当然に取得する」としています。第467条第1項は、債権の譲渡(「現に発生していない債権の譲渡を含む」)は、譲渡人が債務者に通知をするか、債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗できないと定めています(e-Gov法令検索・2026年11月6日確認)。
ファクタリングは発生済みの売掛金を譲渡する取引です。RBFについては、YoiiとFivotが、まだ発生していない売上の債権を譲渡する形の契約だと説明しています。
- Yoii:よくある質問で「法的には「将来債権譲渡」契約となります」と記載し、「RBFは融資とは異なるため、金利はかかりませんが、手数料が発生します」と説明しています
- Fivot:よくあるご質問で「RBFは、将来債権譲渡契約という契約方式」と記載しています。同社の利用規約は、サービスの内容を「将来債権買取り又は融資」としています。同社のベンチャーデット(別の商品)は「金銭消費貸借契約」と説明されています
- Square:資金調達のページで「Square 資金調達は貸付ではありません」と記載し、Square株式会社はファクタリングの自主規制団体「OFA」の認定事業者であると書いています
金融庁の「登録貸金業者情報検索」では、株式会社Fivot(東京都知事(2)第31827号)と株式会社Yoii(東京都知事(1)第32060号)が貸金業者として登録されていました(2026年11月6日確認)。登録があることと、RBFの契約がどの形かは別の話です。両社とも、RBFの契約は将来債権の譲渡だと説明しています。
契約の名前だけで性質は決まらない
金融庁は、ファクタリングについて、契約書に「債権譲渡契約(売買契約)」と定めた取引であっても「経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものについては、貸金業に該当するおそれがあります」としています。あわせて、貸金業に当たるかどうかは、ノンリコースの規定があるかなどの形式的な要素だけでなく「経済的側面や実態に照らして判断される」と説明しています(2026年11月6日確認)。
この説明はファクタリングについてのものです。RBFでも、契約の名前ではなく、売上が見込みを下回った場合の支払いや途中解約の条件を契約書で確かめてください。ファクタリングと貸金業の関係はファクタリングと貸金業法の関係、償還請求権の考え方はノンリコースとリコースの違いでご案内しています。
支払い方の違い
ファクタリング:売掛金の入金で取引が終わる
ファクタリングでは、売った売掛金が支払われれば取引が終わります。2社間ファクタリングでは、利用者が売掛先から入金を受け、その額をファクタリング会社に支払います。3社間ファクタリングでは、売掛先がファクタリング会社に直接支払います。方式の違いは2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いでご案内しています。
資金が足りない状態が続く場合は、そのつど新しい請求書で申し込みます。
RBF:その後の売上から、決められた方法で支払う
RBFでは、資金を受け取ったあと、一定の期間をかけて支払います。支払い方は提供会社によって次のように異なります。
- 売上の一定割合を差し引く形(Square):「総額に達するまで、支払い処理日にSquareでの売上から一定割合の金額が差引かれます」「売上から毎月差引かれる金額や期間は固定されていません」と記載しています。割合はSquareの取引手数料とは別にかかり、「お客さまが支払った税金を含む」総売上に適用されます。差し引きは「資金調達日の2日後」から始まり、精算期限は「制限なし」としています
- 毎月同じ額を支払う形(Yoii):「初月に買取額から手数料を差し引いた金額をお振込みし、翌月または翌々月末から均等にお戻しいただく形となります」と記載しています。契約期間は「最大で12ヵ月」で、「6~10ヶ月でのご契約が多い」としています
- 期間を決めて支払う形(Fivot):RBFの支払期間を「6〜12ヶ月」と記載しています(月ごとの支払額の決め方は、確認したページには書かれていません)
売上が減れば支払いも減るのは、売上の割合で差し引く形の場合です。毎月同じ額を支払う形では、売上が減っても支払額は変わりません。
途中で全額を支払う場合
Yoiiは、契約解除の手続きをすれば一括で支払えるとしたうえで、「初月に手数料をいただくため、一括支払いによるコスト面でのメリットはない」と記載しています。Squareは、譲渡した売上の一部または全部を買い戻す場合は問い合わせるよう案内しています。早く払い終えても手数料が減らない場合があるため、条件は契約書で確認してください。
対象と申込みの条件
RBFは売上の実績を見る
RBFは将来の売上を見込むため、過去の売上の実績や財務の状態が審査の材料になります。公式ページに書かれていた条件は次のとおりです(いずれも2026年11月6日確認)。
| 公式に記載の条件 | Yoii(Yoii Fuel) | Fivot(Flex Capital のRBF) | Square(Square 資金調達) |
|---|---|---|---|
| 対象 | 「法人様専用商品」(個人事業主は利用不可) | 法人のみ(個人事業主・フリーランス、海外法人は利用不可) | 個人事業主も申し込める |
| 売上の実績 | 「直近6か月以上の事業実績が必要」 | 年商約1,000万円程度から。シード期で売上実績が6ヶ月未満の場合は審査が難しいことがある | Squareでの決済履歴にもとづいて評価 |
| そのほかの条件 | 申込時点で「4か月分以上の運転資金」 | 赤字・債務超過でも審査可能と記載 | 他の金融機関との信用履歴は確認しないと記載 |
| 金額 | 「数百万円~数億円」 | 100万円〜3,000万円 | 15,000円〜3,000万円 |
| 審査・入金までの期間 | 「最短2週間」 | データ提出から最大2週間で審査結果 | 最大3営業日で審査、承認されれば最短翌営業日に入金 |
Yoiiは、対象業種に制限はないとしつつ、「月々の売上の変動が大きい場合や、入金が特定の時期に偏るビジネス形態だと、ご利用が難しい場合がございます」と記載しています。売上が毎月安定して入る事業が想定されています。
ファクタリングは請求書と売掛先を見る
ファクタリングは発行済みの売掛金を買い取るため、売る請求書と売掛先が審査の対象になります。たとえばPMGは公式の「ファクタリングの審査」ページで、重視する点を「売掛先の信用力」と「集金の確実性」の2つとしています(2026年11月6日確認)。
当サイト掲載の53社では、対象に個人事業主またはフリーランスを含むと公式に記載している会社が34社、法人のみと記載している会社が8社でした(主に2026年10月14日〜11月6日確認)。個人事業主の方向けの一覧は個人事業主が使えるファクタリング会社でご案内しています。
費用の違い
手数料の表示
RBFの手数料について、公式ページの記載は次のとおりです(2026年11月6日確認)。
- Yoii:「資金調達額に対して、3%~15%の手数料が発生します」
- Fivot:RBFのコストの目安として「元本に対して5〜12%」
- Square:「資金調達にかかる費用は、固定手数料のみです」。固定手数料は「資金調達の金額によって変動します」(率の記載はなし)
ファクタリングの手数料は、売る売掛金の額面に対してかかります。会社ごとの公式表示は手数料・入金スピードの一覧に掲載しています。
RBFとファクタリングの手数料の率は、何に対する率か(資金調達額か、売掛金の額面か)と、資金を使える期間(最大12か月か、売掛金の支払期日までか)が異なります。率の数字だけを並べて高い・安いを判断することはできません。
計算例(仮定)
例として、毎月の売上が安定している法人が、600万円の資金を必要としている場合を考えます(金額・率・期間は説明のための仮定で、特定の会社の条件ではありません)。
- RBF(Yoiiの説明の形を当てはめた場合):調達額600万円、手数料を仮に8%(48万円)、期間を6か月とします。初月に600万円から48万円を差し引いた552万円を受け取り、翌月または翌々月末から6回に分けて毎月100万円を支払います。売上が減った月も、支払額は100万円のままです
- RBF(Squareの説明の形を当てはめた場合):差し引きの割合を仮に売上の10%とすると、売上が10,000円の日には1,000円が差し引かれます。Squareの公式ページも、売上10,000円、決済手数料325円、資金調達の差引額1,000円で、残高への振込が8,675円になる例を挙げています(同ページは「以上の数字は一例であり、実際とは異なります」と記載)
- ファクタリング:600万円を受け取るには、手数料を差し引いても600万円になる額面の売掛金が必要です。手数料を仮に5%とすると、額面約632万円分の発行済みの請求書を売ることになり、その支払期日が過ぎれば、翌月以降の資金はまた別の請求書で用意します
併用するときの注意:同じ売上を二重に譲渡しない
RBFで将来の売上の債権を譲渡している場合、その売上から生まれる売掛金を、さらにファクタリングで売ることはできません。Fivotは「ファクタリングについても、毎月固定で発生する将来債権譲渡の部分については、ファクタリング事業者に債権譲渡することはできません」と記載しています。Yoiiは「債権の二重譲渡に該当してしまう場合にはご利用いただけませんが、切り分けて併用できるケースもある」としています(2026年11月6日確認)。
すでにファクタリングを使っている会社がRBFを検討するとき、またはその逆のときは、どの取引先・どの期間の売掛金がどちらの契約の対象かを、両方の会社に伝えて確認してください。同じ売掛金を複数の会社に譲渡した場合の問題はファクタリングの二重譲渡、第三者への対抗要件は債権譲渡登記でご案内しています。
使い分けの考え方
請求書があり、入金までの間をつなぎたい場合
取引先に請求書を出していて、入金日までの支払いに充てる資金が必要な場合は、ファクタリングが対象になります。使う額は売掛金の範囲に収まり、売掛金が支払われれば取引は終わります。個人事業主が申し込める会社もあります。
毎月の売上が安定していて、まとまった額を先に使いたい場合
毎月の売上が安定して入っていて、広告や仕入れなどに数か月分の売上に当たる資金を先に使いたい場合は、RBFが比較の対象になります。ただし、確認した提供会社では、法人であることや売上の実績の期間などが条件になっています。支払いは数か月から12か月ほど続き、支払い方は売上の割合で差し引く形と、毎月同じ額の形があります。
どちらの場合も確認すること
- 何が資金のもとになるか:発行済みの請求書か、これから発生する売上か
- 支払額の決め方:売上の割合で変わるのか、毎月同じ額なのか。売上が見込みを下回った場合の扱い
- 手数料が何に対する率か:資金調達額か、売掛金の額面か。早く支払い終えた場合に手数料が変わるか
- 譲渡する債権の範囲:ほかのファクタリングやRBFの契約と、対象の売掛金が重ならないか
- 契約書の条項:契約書の確認の仕方はファクタリング契約書の注意点でご案内しています
よくある質問
Q: RBFとファクタリングの一番大きな違いは何ですか? A: 資金のもとになるものです。ファクタリングは発行済みの請求書の売掛金を売って、支払期日より前に代金を受け取ります。RBFは、これから発生する売上の見込みをもとに資金を受け取り、その後の売上の中から支払っていきます。
Q: RBFは売上が減れば支払いも減りますか? A: 提供会社によって異なります。Squareは売上から一定の割合を差し引くため、売上が少ない日は差し引く額も少なくなります。Yoiiは、手数料を差し引いた金額を振り込んだあと、翌月または翌々月末から均等に支払う形と説明しています。この場合、売上が減っても毎月の支払額は変わりません。
Q: RBFは借入(融資)ですか? A: 確認した提供会社は、RBFを融資とは違うものとして説明しています。Yoiiは「法的には「将来債権譲渡」契約」、Fivotは「将来債権譲渡契約という契約方式」、Squareは「貸付ではありません」と記載しています。一方で、金融庁はファクタリングについて、契約書の形だけでなく経済的な実態で貸金業に当たるかが判断されると説明しています。RBFについて公的機関が説明したページは、当サイトでは確認できていません。
Q: ファクタリングとRBFは同時に使えますか? A: 同じ売上の債権を両方に譲渡することはできません。Fivotは、RBFで将来債権譲渡の対象にした部分はファクタリング事業者に譲渡できないと記載しています。Yoiiは、二重譲渡に当たる場合は使えないものの、切り分けて併用できるケースもあるとしています。対象の取引先や期間を、両方の会社に伝えて確認してください。
Q: 個人事業主でもRBFは使えますか? A: 確認した中では、YoiiとFivotは法人のみが対象で、個人事業主は使えないと記載しています。Squareの資金調達(Squareの加盟店向け)は、個人事業主も申し込めると記載しています。ファクタリングは、当サイト掲載53社のうち34社が、対象に個人事業主またはフリーランスを含むと公式に記載しています。
まとめ
- ファクタリングは発行済みの請求書の売掛金を売る取引、RBFは将来の売上の見込みをもとに資金を受け取り、その後の売上から支払う取引です
- RBFの支払い方は提供会社で異なります。Squareは売上の一定割合を差し引く形、Yoiiは毎月均等に支払う形です。RBFでも、支払額が売上に合わせて変わるとは限りません
- 確認したRBFの提供会社は、契約を将来債権の譲渡(Yoii・Fivot)や「貸付ではありません」(Square)と説明しています。RBFについて公的機関が説明したページは確認できていません
- RBFの手数料は資金調達額に対する率(Yoiiは3%~15%、Fivotは元本に対して5〜12%)、ファクタリングの手数料は売掛金の額面に対する率で、期間も違うため、率だけでは比べられません
- 同じ売上の債権を、RBFとファクタリングの両方に譲渡することはできません。併用するときは対象の範囲を両方の会社と確認してください
