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一人親方(建設)のファクタリング|元請けへの請求書で使えるか・必要書類

一人親方(建設)のファクタリング|元請けへの請求書で使えるか・必要書類

更新日: 2026年11月3日一人親方 ファクタリング, 一人親方 請求書 資金化, 建設 個人事業主 ファクタリング

一人親方が元請けに出す工事代金の請求書は、個人事業主の申込みを受け付けるファクタリング会社であれば、売却の対象になり得ます。当サイトが掲載している47社のうち、対象に個人事業主・個人・フリーランスを含めると公式に表示している会社は29社で、法人に限ると表示している会社は9社です(各社の公式サイトで2026年7月21日〜11月3日に確認)。ただし、元請けが法人でないと受け付けない会社や、個人事業主には2社間の取引だけを提供する会社もあります。

本記事では、一人親方が申し込むときに関わる各社の公式表示と必要書類を整理し、建設業法・フリーランス法など、元請けからの支払いに関する法律の定めを条文で確認します。建設業全般のファクタリングは建設業・建築業のファクタリングガイド、個人事業主向けの会社の比較は個人事業主向けファクタリングでご案内しています。

一人親方の工事代金はファクタリングの対象になるか

ファクタリングは、売掛金(まだ支払いを受けていない代金の債権)をファクタリング会社に売却して、支払期日より前に資金を受け取る取引です。民法第466条第1項は「債権は、譲り渡すことができる」と定めており、工事を終えて元請けに請求した代金も、この債権にあたります。

一人親方の場合、申込みの可否を分けるのは主に次の2点です。

  1. 申込者が個人事業主でも受け付けるか:法人に限る会社には申し込めません
  2. 売掛先(元請け)が法人か:売掛先を法人に限る会社では、元請けが個人の親方である場合は対象外になります

工事が終わっていない段階の代金(注文書・発注書の段階の債権)を扱うかどうかも会社によって異なります。この点は後の節でご説明します。

個人事業主の申込みについての各社の公式表示

当サイトの手数料一覧の「対象」欄に記録した各社の公式表示を、申込者が個人事業主の場合の扱いで5つに分けると、次のとおりです。分け方の基準は、①対象に「個人事業主」「個人」「フリーランス」のいずれかを、申込者側の条件を付けずに記載している、②申込者側に条件を付けている、③公式サイト内で表記が分かれている、④個人事業主は利用できないと記載している、⑤個人事業主の可否の記載がない、です。売掛先についての条件は①の判定に含めず、次の節で別に扱います。提供地域を限っている会社(ファクタリングZERO・西日本ファクター)や、設立間もない場合の条件を示している会社(事業資金エージェント)は、個人事業主に限った条件ではないため①に入れ、その内容を注記しています。

区分 社数 会社(公式表示・確認日)
① 個人事業主等を対象に含める 29 下の一覧
② 申込者側に条件あり 1 JTC:年商7,000万円以上・掛売り取引がある企業。個人事業主は取引先の承諾が必要(2026年10月30日)
③ 公式内で表記が分かれる 3 PMG:よくある質問は個人事業主も可、一部のページは法人のみ(2026年10月31日)/エーストラスト:原則法人、個人事業主は公式内で表記が分かれる(2026年10月14日)/トラストゲートウェイ:対象は法人・個人事業主・新設法人。公式トップのよくある質問には「条件は法人様で毎月の売掛金があれば」との記載もある(2026年10月31日)
④ 個人事業主は不可 9 マネーフォワード 早期入金(10月30日)・¥Today(10月16日)・ファクタープラン(10月14日)・アウル経済(10月31日)・インボイスPay(個人事業主は現在取扱停止・10月31日)・GMO BtoB早払い(10月31日)・ネクストワン(法人専門・11月1日)・KKT(法人向けLPのよくある質問で法人のみ。旧LPの見積りフォームには個人事業主の選択肢が残っているが、可否を述べた記載ではないため④・11月1日)・エスコム(法人のみ・11月3日)
⑤ 可否の記載なし 5 みんなのファクタリング(「事業主様向け」・7月21日)・いーばんく(10月14日)・インボイスファクター(10月14日)・カイポケ早期入金(介護・医療・障害福祉の事業者向け・10月31日)・CoolPay(「事業者」。法人・個人事業主の別は明記なし・11月1日)

①の29社は、ビートレーディング(法人・個人・フリーランス/10月31日)、QuQuMo(7月21日)、アクセルファクター(10月23日)、ベストファクター(法人・個人/10月31日)、ペイトナー(10月14日)、ラボル(10月26日)、PayToday(10月31日)、日本中小企業金融サポート機構(10月16日)、トップ・マネジメント(7月21日)、メンターキャピタル(法人・個人/10月14日)、えんナビ(10月19日)、FREENANCE(10月31日)、株式会社No.1(10月14日)、セーフトラスト(10月14日)、ファクタリングのTRY(10月14日)、MSFJ、レバンタ、バイオン、RFD株式会社、うりかけ堂、買速、OLTA(以上7社は10月31日)、GoodPlus、ファクタリングZERO(提供地域は西日本に限定)、西日本ファクター(対応地域は九州・中国・関西)、事業資金エージェント(設立間もない場合は売掛金の入金3ヶ月以上)(以上4社は11月1日)、ウィット、けんせつくん(建設業界の事業者向け)、ファクターズ(中小企業・一人親方)(以上3社は11月3日)です。いずれも2026年の確認日で、表記が「個人」の会社は、その表記のまま掲載しています。

①に入る会社でも、公式表示は「個人事業主も申し込める」という意味にとどまり、審査の結果を示すものではありません。

元請けが法人か個人かで、使える会社が変わります

一人親方の取引先は、建設会社(法人)である場合もあれば、別の親方(個人事業主)である場合もあります。①の29社のうち、売掛先を法人(または法人・公的機関)に限る、または売掛先が個人事業主(個人経営)の債権を対象外とすると公式に記載している会社は、次の9社です。

  • ビートレーディング:売掛先が個人事業主の売掛金は対象外(2026年10月31日確認)
  • ラボル:よくある質問で「現時点では、法人が取引先となる請求書のみ買い取りをさせて頂いております」と回答(2026年11月1日確認)
  • FREENANCE:請求先は内国法人又は日本に支店のある外国法人のみ(2026年10月31日確認)
  • セーフトラスト:買い取るのは法人が取引先となる請求書のみ(2026年10月14日確認)
  • 日本中小企業金融サポート機構:通常のファクタリングは、売掛先が法人なら個人事業主も利用可。売掛先が個人の債権は対象外(2026年10月16日確認)
  • RFD株式会社:個人事業主は売掛先が法人の場合(2026年10月31日確認)
  • OLTA:売掛先は国内登記の法人または公的機関のみ(2026年10月31日確認)
  • メンターキャピタル:売掛先が個人経営の債権は対象外(2026年10月14日確認)
  • 西日本ファクター:対象は法人あての売掛金をもつ事業主(売掛先は法人のみ・2026年11月1日確認)

元請けが個人の親方である場合は、これらの会社では対象外になります。反対に、バイオンは「売掛先が個人でも申請可」(売掛先は国内のみ)と記載しています(2026年10月31日確認)。GoodPlusは、売掛先が個人の請求書をよくある質問では対象外、利用規約では「個人事業者」も対象と記載しており、表記が分かれています(2026年11月1日確認)。残る18社の確認データには、売掛先が個人事業主の場合についての記載がないため、申込みの前に会社に確認してください。

個人事業主の必要書類(公式に記載がある会社)

個人事業主が提出する書類を、個人事業主向けとして公式に記載している会社は、確認データの中で次の7社です。抜き出しの基準は、必要書類の記録に「個人事業主」についての記載があることです。

会社 個人事業主の必要書類(公式表示) 確認日
QuQuMo 入出金明細(保有する全銀行口座の直近3か月分)・請求書、契約時に本人確認書類。個人事業主は開業届または確定申告書一式と健康保険証も提出 2026年10月31日
ベストファクター 本人確認書類・通帳コピー(直近2〜3ヶ月分)・買取希望の請求書の3点 2026年10月31日
買速 公式トップは個人事業主3点(本人確認書類・通帳のコピー・請求書。決算書は不要) 2026年10月31日
バイオン 本人確認書類・請求書・全銀行口座の入出金明細(3ヶ月分)・確定申告書一式・発注書や注文書や契約書など(任意) 2026年10月31日
OLTA 本人確認書類・請求書・事業用銀行口座の直近4カ月分の入出金明細・確定申告書第一表の控えと開業届 2026年10月31日
PayToday 本人確認書類(顔写真付き)・請求書・全口座の直近6か月分以上の入出金明細・確定申告書B一式(よくある質問では、個人事業主の確定申告書B一式と入出金明細を「必須ではない」と表記) 2026年10月31日
レバンタ 個人事業主は確定申告書など。請求書や通帳コピーを基に査定 2026年10月31日

7社に共通しているのは、請求書と、通帳または入出金明細です。確定申告書や開業届を求めるかどうかは会社によって異なります。必要書類全般はファクタリングの必要書類でご案内しています。

一人親方が用意しておきたい取引の書類

建設業法第19条第1項は、建設工事の請負契約の当事者に対し、契約の締結に際して、工事内容・請負代金の額・工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法などを書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付することを求めています(同条第3項により、相手方の承諾を得て電子的な方法によることもできます)。

元請けとの請負契約書や注文書は、工事代金の額と支払時期を示す書類になります。バイオンは「発注書や注文書や契約書など(任意)」を必要書類に挙げており、ファクタリングのTRYは審査時の書類に「請求書・発注書または契約書」を挙げています(2026年10月14日確認)。請求書とあわせて、元請けとの契約書・注文書の控えを手元に置いておくと、取引の内容を示しやすくなります。

個人事業主には「2社間」の取引になる場合があります

ファクタリングには、元請けに通知しない2社間の取引と、元請けの承諾を得る3社間の取引があります(違いは2社間と3社間の違いでご案内しています)。

ベストファクターは、公式サイトに「個人事業主は債権譲渡登記が法的に不可のため、自動的に2社間ファクタリングでの取り扱いとなります」と記載しています(2026年10月31日確認)。債権譲渡登記の制度を定める動産債権譲渡特例法第4条第1項は、「法人が債権…を譲渡した場合」の対抗要件の特例を定めており、個人が譲渡した債権は対象になっていません。個人が債権を譲渡した場合の対抗要件は、民法第467条の定め(譲渡人から債務者への通知、または債務者の承諾)によります。

元請けからの支払いに関する法律

ファクタリングを使う前に、元請けからの支払いがいつまでに行われるべきかを確認しておくと、資金化が必要な金額と期間を見積もりやすくなります。

建設業法の定め

建設業法は、元請けの支払いについて次のように定めています。条文上の「元請負人」は、下請契約の注文者で建設業の許可を受けた建設業者を指します(同法第2条第3項・第5項)。

条文 定め 対象となる場面
第24条の3第1項 元請負人は、注文者から出来形部分や工事完成後の支払を受けたときは、下請代金を、支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない 元請負人が支払を受けたとき
第24条の3第2項 下請代金のうち労務費に相当する部分は、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない 同上
第24条の6第1項 特定建設業者が注文者となった下請契約の下請代金の支払期日は、引渡しの申出の日から起算して50日を経過する日以前で、できる限り短い期間内に定めなければならない 注文者が特定建設業者で、下請負人が特定建設業者や一定以上の資本金の法人でない場合

これらは元請けが守るべき支払いの定めで、一人親方がファクタリングを利用するかどうかとは別の問題です。支払期日が定めより長いと考えられる場合は、ファクタリングの前に、元請けとの契約の内容を確認してください。

取適法(旧下請法)は建設工事の下請には当てはまりません

製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法・旧下請法)第2条第4項は、「役務提供委託」の定義から、建設業を営む者が請け負う建設工事の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせることを除いています。建設業法第2条第2項は、「建設業」を「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業」と定めています。このため、一人親方が建設業を営む元請けから建設工事を請け負う取引には、取適法の役務提供委託の定めは当てはまらず、建設業法の定めが関わります。取適法とファクタリングの関係はファクタリングと取適法(旧下請法)の関係でご説明しています。

フリーランス法の定め

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)は、従業員を使用しない個人などを「特定受託事業者」と定めています(第2条第1項)。公正取引委員会のフリーランス法Q&Aは、特定受託事業者の例として、建設会社から住宅建設の業務の一部を受託する一人親方を挙げています。

同法第4条第1項は、従業員を使用する、または役員が2人以上いる発注者(特定業務委託事業者)からの業務委託について、報酬の支払期日を、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、かつ、できる限り短い期間内に定めなければならないとしています。発注者が元の発注者から受けた業務を再委託した場合で、所定の事項を明示したときは、元委託の支払期日から30日以内とする特例があります(同条第3項)。また、同法第3条第1項は、業務委託をしたときに、給付の内容・報酬の額・支払期日などを書面又は電磁的方法で明示することを求めています。

建設業法とフリーランス法のどちらの定めが個別の取引に当てはまるかの判断は、当サイトでは行っていません。公正取引委員会のフリーランス法特設サイトは、フリーランス・個人事業主が契約上のトラブルを弁護士に無料で相談できる窓口として「フリーランス・トラブル110番」を案内しています。

計算例:一律10%の会社で請求書を資金化した場合(仮定)

例として、一人親方が元請け(法人)に請求した工事代金40万円の請求書を、支払期日より前に資金化する場合を考えます(金額は説明のための仮定です)。手数料を「一律10%」と公式に表示している会社のうち、ペイトナーとラボルの表示で計算すると、次のとおりです。

会社 手数料(公式表示) 計算 受け取る金額
ペイトナー 一律10%(別途振込手数料330円)・初回の利用可能額は50万円 400,000円 − 40,000円 − 330円 359,670円
ラボル 一律10% 400,000円 − 40,000円 360,000円

出典:feeIndex(ペイトナー 2026年10月14日・ラボル 2026年10月26日確認)。ペイトナーは初回の利用可能額を50万円としているため、請求額が50万円を超える場合は初回に全額を申し込めない場合があります。手数料率が審査で決まる会社では、見積もりを取るまで受取額は確定しません。

一人親方がインボイス(適格請求書)を発行していない場合の扱いは、インボイス未登録でもファクタリングは使える?でご案内しています。

よくある質問

Q: 一人親方でもファクタリングを申し込めますか? A: 個人事業主の申込みを受け付ける会社であれば申し込めます。当サイト掲載47社のうち、対象に個人事業主・個人・フリーランスを含めると公式に表示している会社は29社、個人事業主は利用できないと表示している会社は9社です(2026年7月21日〜11月3日確認)。審査の結果は各社の判断によります。

Q: 元請けが個人の親方でも、請求書を売却できますか? A: 会社によって異なります。ビートレーディング・ラボル・FREENANCE・セーフトラスト・日本中小企業金融サポート機構(通常のファクタリング)・RFD株式会社・OLTA・メンターキャピタル・西日本ファクターの9社は、売掛先を法人に限る、または売掛先が個人事業主(個人経営)の債権を対象外とすると公式に記載しています。バイオンは売掛先が個人でも申請可と記載しています。それ以外の会社は、申込みの前に確認してください。

Q: 一人親方が用意する書類は何ですか? A: 公式に個人事業主の必要書類を記載している7社に共通するのは、請求書と、通帳または入出金明細です。本人確認書類は7社のうち6社が挙げています(レバンタの記載には本人確認書類が含まれていません)。確定申告書や開業届を求める会社もあります。元請けとの請負契約書や注文書の控えもあわせて用意しておくと、取引の内容を示しやすくなります。

Q: 元請けに知られずに利用できますか? A: 2社間の取引であれば、元請けに知られずに進められると公式に記載している会社があります(RFD株式会社「2社間は請求書・注文書等の売掛債権を取引先に知られずに資金化」・2026年10月31日確認)。ベストファクターは、個人事業主は債権譲渡登記ができないため2社間での取扱いになると公式に記載しています。契約の内容によっては通知や承諾が必要になる場合があるため、契約前に確認してください。

まとめ

  • 一人親方が元請けに出す工事代金の請求書は、個人事業主の申込みを受け付ける会社であれば売却の対象になり得ます。当サイト掲載47社のうち29社が対象に個人事業主等を含め、9社は不可と公式に表示しています
  • 元請けが個人の親方の場合、売掛先を法人に限る、または個人事業主宛てを対象外とする会社(9社)では対象外になります
  • 個人事業主の必要書類を公式に記載している7社に共通するのは、請求書と、通帳または入出金明細です。元請けとの請負契約書・注文書の控えも用意しておくと、取引の内容を示しやすくなります
  • 建設工事の下請には取適法の役務提供委託の定めは当てはまらず、建設業法第24条の3・第24条の6が元請けの支払いを定めています。従業員を使用する発注者からの業務委託には、フリーランス法の60日の定めもあります
  • 手数料が一律の会社でも、振込手数料や初回の利用可能額の上限があります。申込みの前に見積もりと条件を確認してください

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