初回取引・新規取引先の請求書はファクタリングできる?審査での見られ方
新しい取引先との初回取引で発行した請求書について、ファクタリングの対象外と公式に書いている会社は、当サイトが確認した範囲ではありませんでした。対象と明記しているのは、マネーフォワード 早期入金(請求書のほかに発注書などの証憑を求める場合あり)とラボル(新規の取引先との取引でも利用可)の2社です。可否は各社の個別審査で決まり、初回取引では同じ売掛先からの入金の記録がまだないため、取引が実在することと請求額・支払期日が確定していることを、契約書や発注書などの書類で示すことが中心になります。本記事では、当サイト掲載36社の公式表示から初回取引に関わる記載を抜き出し、用意できる書類と、ファクタリング会社の初回利用で条件が変わる会社をまとめています。
審査全体の基準はファクタリングの審査基準、売掛先の信用力の扱いはファクタリング審査は売掛先で決まる?でご案内しています。
「初回取引」には2つの意味があります
「初回取引」には次の2つの場面があり、確認する点が異なります。
| 場面 | 内容 | 主に確認すること | 本記事の該当箇所 |
|---|---|---|---|
| 売掛先との初回取引 | 新しい取引先と初めて取引し、その請求書を売却したい | 取引の実在、請求額と支払期日の確定、契約の条項 | 次の章〜「新しい取引先との契約で確認しておく条項」 |
| ファクタリング会社の初回利用 | その会社を初めて利用する | 初回の利用枠、初回の契約方法、初回の費用 | 「ファクタリング会社の初回利用で条件が変わる会社」 |
両方が重なる場合は、両方の条件を確認してください。
売掛先との初回取引について各社の公式表示で確認できること
確認の方法
当サイトが各社の公式サイトで確認して記録した事実(手数料一覧の36社の公式表示と、会社ページの編集部確認欄のうち公式の出典があるもの)から、売掛先との取引の実績・内容、請求書の確定、取引を示す書類に関する記載を抜き出しました。当サイトの助言の文は使っていません。
その結果、売掛先との初回取引や新規の取引先の請求書を名指しして扱いを書いている会社は、次の2社でした。対象外とする記載は、当サイトの確認範囲ではありませんでした。
| 会社 | 公式の記載 | 確認日 |
|---|---|---|
| マネーフォワード 早期入金 | よくあるご質問「初回取引の売掛先や、入金実績がない売掛先でも利用できますか?」に「お買取り対象ですが、請求書のほかに発注書などの証憑をご依頼する場合がございます」と回答 | 2026年11月1日 |
| ラボル | 公式トップに「独立直後でも新規の取引先でも、業種・職種問わずOK」。よくある質問で「新規の取引先や零細企業との取引でもご利用いただけます」と回答 | 2026年11月1日 |
ほかの会社の扱いは、申込時に確認してください。以下では、初回取引の請求書の見られ方に関わる、そのほかの記載をまとめています。
売掛先との取引の実績・継続に関わる記載がある会社
- MSFJは、審査では売掛先の信用力・取引内容・入金実績などを確認すると記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)
- 買速は、審査で最重要視するのは売掛先企業(取引先)の信用力と記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)
- JTCは、仮審査の書類として請求書(直近3回分)・通帳(3ヶ月分)・所定の仮審査書類(入金予定申請)を挙げています(公式サイト・2026年10月31日確認)。同じ売掛先との請求書が3回分ない場合の扱いは、公式に記載がありません
- トラストゲートウェイは、新設法人も利用できるとする一方、公式トップのよくある質問には「条件は法人様で毎月の売掛金があれば」との記載もあります(公式サイト・2026年10月31日確認)
- RFDは、起業したばかりでも入金実績があれば利用できると記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)
- ベストファクターは、買取の上限を売掛先1社につき1億円までとし、売掛先の規模や取引年数等により、それ以上も取り扱える可能性があると記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)
MSFJの「入金実績」やベストファクターの「取引年数」のように、売掛先との取引の積み重ねを判断材料に挙げる会社があり、初回取引ではこの材料がまだありません。ただし、入金実績がないことを理由に断ると公式に書いている会社は、当サイトの確認範囲ではありませんでした。マネーフォワード 早期入金は、入金実績がない売掛先も買取対象としたうえで、発注書などの証憑を求める場合があると記載しており、書類で補う扱いを公式に示しています。
請求額と支払期日が確定していることを条件にする会社
納品前や支払期日が未定の段階の請求書について、各社は次のように記載しています。
- QuQuMoは、請求書は請求金額・入金日が確定しているもので、入金日を過ぎたものは不可としています(公式サイト・2026年10月31日確認)
- マネーフォワード 早期入金は、役務提供が完了している債権のみを対象とし、でんさいや、発注書・契約書のみでは買い取らないと記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)
- ベストファクターは、起業したばかりの利用について「確定した売掛債権が存在することが前提となりますが、社歴や事業歴は問われません」と記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)
- OLTAは、入金期日が申込日から6営業日以上かつ6ヶ月以内の債権を対象とし、FREENANCEは支払期日が買取申込日から105日以内の請求書を対象としています(いずれも公式サイト・2026年10月31日確認)
一方で、注文や見積りの段階でも資金化できると公式に記載する会社もあります。トップ・マネジメントは「お仕事の注文や発注を受けた段階、更には見積りの段階でもファクタリングが行なえる」と表示し(公式サイト・2026年10月31日確認)、GMO BtoB早払いは請求書発行前の注文書段階で受注金額の最大50%まで買い取る「注文書買取」に対応しています(公式サイト・2026年10月31日確認)。初回取引でまだ請求書を発行していない場合の選択肢は、検収前・支払期日未定の請求書と注文書ファクタリングの記事で扱っています。
入金の記録がない分を補う書類
当サイトの確認欄の「必要書類」の事実では、36社のうち28社が通帳または口座の入出金明細を挙げています(任意・推奨や例示として挙げる会社を含みます)。売掛先との初回取引では、その売掛先からの入金はまだ通帳に記録されていません。そのため、売掛先との取引の内容を示す書類が、審査で取引を確認する材料になります。
取引を示す書類を公式に挙げている会社
選定の基準:当サイトの確認欄の「必要書類」の事実のうち、請求書・通帳・本人確認書類・登記や納税の書類以外に、売掛先との取引を示す書類(契約書・発注書・注文書・見積書・納品書・請書・検収書・取引先とのメールやチャット・請求書の送付履歴など)を挙げている会社をすべて載せています。請求書の代わりに注文書で申し込むサービスの書類は除いています。並びは手数料一覧の掲載順で、順位を示すものではありません。
| 会社 | 公式に挙げている取引関係の書類 | 位置づけ | 確認日 |
|---|---|---|---|
| ベストファクター | 売却を希望する請求書、見積書、基本契約書などの売掛先との取引契約書類 | 審査時 | 2026年10月31日 |
| PMG | 発注書(試算表・決算書・確定申告書等とあわせて追加で求める場合あり) | 追加で求める場合あり | 2026年10月31日 |
| ラボル | 取引を示すエビデンス(取引先とのメール・チャット、通帳の入出金履歴、発注書など) | 必要書類 | 2026年10月26日 |
| 日本中小企業金融サポート機構 | 売掛金に関する書類(請求書・契約書など)。債権によって発注書・注文書・日報など | 必要書類/追加で求める場合あり | 2026年10月16日 |
| マネーフォワード 早期入金 | 契約書・請求書・発注書などの売掛債権の証憑 | 必要書類 | 2026年11月1日 |
| メンターキャピタル | 売掛金に関する資料(請求書・契約書など) | 必要書類の例 | 2026年10月14日 |
| FREENANCE | 請求書送付/受領履歴、契約書・発注書等 | 審査エビデンス(任意・推奨) | 2026年10月31日 |
| エーストラスト | 請求書(発注書・請書・納品書など) | 必要書類 | 2026年10月14日 |
| ファクタープラン | 売掛先との契約書/請求書/発注書等 | 審査時 | 2026年10月14日 |
| ファクタリングのTRY | 発注書または契約書・売掛先の住所と連絡先 | 審査時 | 2026年10月14日 |
| トラストゲートウェイ | 取引先基本契約書(ある場合)・取引履歴書類(通帳等)・成因資料(発注書・納品書・請求書等)。全てそろっていない場合も柔軟に審査 | 必要書類 | 2026年10月31日 |
| バイオン | 発注書や注文書や契約書など | 任意 | 2026年10月31日 |
| うりかけ堂 | 取引先との契約関連書類(請求書/見積書/基本契約書等) | 必要書類 | 2026年10月31日 |
| GMO BtoB早払い | 利用審査で買主の審査依頼書・取引基本契約書等。買取実行時に見積書・発注書・請求書・納品確認書(検収書)等 | 利用審査/買取実行 | 2026年10月31日 |
いずれも公式サイトの表示(各社の確認日時点)です。
36社のうち14社が、請求書のほかに売掛先との取引を示す書類を公式に挙げていました(FREENANCEとバイオンは任意、PMGは追加で求める場合あり)。契約書・発注書・見積書・取引先とのメールなどは入金の前から手元にある書類のため、初回取引でも申込前にそろえておくことができます。必要書類全体の一覧はファクタリングの必要書類をご覧ください。
取引条件の明示が法律で義務づけられている取引があります
新しい取引先から受けた発注については、取引の種類と当事者によって、発注した側に取引条件の明示が義務づけられています。
- 取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)4条1項は、委託事業者が製造委託等をした場合、直ちに、給付の内容、製造委託等代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法により中小受託事業者に明示しなければならないと定めています(e-Gov法令検索で確認)
- フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)3条1項は、業務委託事業者が特定受託事業者(従業員を使用しない個人、または代表者1人のほかに役員がなく従業員を使用しない法人。同法2条1項)に業務委託をした場合、直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面又は電磁的方法により明示しなければならないと定めています(e-Gov法令検索で確認)
いずれも、電磁的方法で明示された場合に書面の交付を求めることができる規定があります(取適法4条2項・フリーランス法3条2項。ただし公正取引委員会規則で定める場合を除きます)。これらの明示では、原則として代金の額と支払期日が示されます(内容を定められないことに正当な理由がある事項は、定まった後に明示すればよいとするただし書があります)。当サイトの説明としては、明示を受けた書面やメールを、初回取引の内容を示す書類として申込時に提出できるかを、各社に確認してください。どの取引が取適法の対象になるかは下請法(取適法)とファクタリングで扱っています。
新しい取引先との契約で確認しておく条項
新しい取引先と結ぶ取引基本契約書や発注書の約款に、「この契約から生じる債権を第三者に譲渡しない」といった条項(譲渡制限の意思表示)が含まれている場合があります。民法466条2項は、譲渡制限の意思表示をしたときであっても「債権の譲渡は、その効力を妨げられない」と定め、3項は、その意思表示を知っていた、または重大な過失によって知らなかった譲受人などに対しては、債務者が履行を拒むことができるとしています(e-Gov法令検索で確認)。
各社の扱いは分かれており、ベストファクターは譲渡禁止特約付きの債権を断る場合があるとし、GMO BtoB早払いは譲渡禁止債権も買取対象と記載しています(いずれも公式サイト・2026年10月31日確認)。申込前に契約書を読み返し、条項がある場合は申込時に伝えてください。条文の詳しい説明はファクタリングと民法466条の関係にまとめています。
ファクタリング会社の初回利用で条件が変わる会社
ここからは、ファクタリング会社を初めて利用する場合の条件です。
選定の基準:当サイトの確認欄の事実・手数料一覧・会社ページの記載のうち、「初回」または「2回目以降」の語で、初回の利用と2回目以降の利用の条件の違い(または同じであること)を公式に記載している会社をすべて載せています。
| 会社 | 初回の利用に関する公式の記載 | 確認日 |
|---|---|---|
| ペイトナー | 初回の利用枠は50万円で、利用実績に応じて最大300万円まで拡大。本人確認書類の提出は初回のみ | 2026年10月14日 |
| FREENANCE | 「初回利用時でも1万円〜上限額なしで利用できます。利用上限回数もありません。」(審査あり・満額引受できない場合あり) | 2026年10月31日 |
| JTC | 「初回お取引のお客様については原則、対面にてご契約」(出張対応あり。面談が難しい場合はオンライン契約に対応・事前予約制) | 2026年10月31日 |
| カイポケ早期入金 | 手数料0.96%〜のほかに、初回手数料5,000円・月額費用2,000円 | 2026年10月31日 |
| GMO BtoB早払い | 利用審査の結果は最短2営業日後に回答。2回目以降は利用審査が不要で、決定した買取限度内で繰り返し利用可 | 2026年10月31日 |
いずれも公式サイトの表示(各社の確認日時点)です。
初回の条件が2回目以降と異なるのはペイトナー(利用枠・本人確認書類)・JTC(契約方法)・GMO BtoB早払い(利用審査)、初回に限る費用があるのはカイポケ早期入金で、FREENANCEは初回でも上限を設けていないと記載しています。
計算例:初回の利用枠と受取額
例:額面40万円の請求書を、ペイトナーで初めて売却する場合(仮定)。ペイトナーの手数料は一律10%で、別途振込手数料330円です(公式サイト・2026年10月14日確認)。
- 手数料:40万円×10%=4万円
- 振込手数料:330円
- 受取額:40万円−4万円−330円=35万9,670円
同じ条件で額面80万円の請求書の場合は、初回の利用枠50万円を超えます。請求書の一部の金額だけを申請できるかは、ペイトナーについては当サイトの記録では確認できていません。当サイトの確認データで、請求書の一部の売却・申請ができると記載している会社は、次の5社です(FREENANCE・バイオン・OLTAは2026年10月31日、セーフトラストは10月17日、ラボルは11月1日に公式サイトで確認)。
- FREENANCE:請求書の一部金額のみの利用も可
- セーフトラスト:請求額のうち必要な一部金額だけの売却が可能
- バイオン:一部金額のみの申請も可
- OLTA:請求書の全額または一部の買取が可能
- ラボル:「請求書の一部のみ買取申請をすることも可能です」
初めて利用する際の手順全体はファクタリング初めての方向けガイドをご覧ください。
初回取引の請求書で申し込む前の確認リスト
- 納品・役務の提供が済み、請求額と支払期日が確定しているか(まだの場合は、注文書段階に対応する会社か、検収後の申込かを検討する)
- 申込先が求める支払期日の範囲に入っているか(OLTAは申込日から6営業日以上かつ6ヶ月以内、FREENANCEは105日以内)
- 契約書・発注書・注文請書・納品書・検収書、取引先とのメールなど、取引の内容が分かる書類がそろっているか
- 取適法・フリーランス法の対象となる取引の場合、取引条件の明示を受けた書面やメールを保存しているか
- 取引基本契約書や発注書の約款に、譲渡制限の条項がないか
- 請求書の売掛先の社名・所在地が、正式なものと一致しているか(売掛先が法人の場合は法人番号公表サイトで確認できます)
- 申込先のファクタリング会社を初めて利用する場合、初回の利用枠・契約方法・費用に条件があるか
よくある質問
Q: 新しい取引先との1回目の請求書でも、ファクタリングに申し込めますか? A: 申し込むことはできますが、受け付けるかどうかは各社の審査によります。当サイトの確認範囲では、初回取引の請求書を対象外とする会社はなく、マネーフォワード 早期入金(発注書などの証憑を求める場合あり)とラボルが対象と明記しています(2026年11月1日確認)。契約書・発注書・納品書など、取引の内容を示す書類をそろえて申し込んでください。
Q: 取引先から一度も入金を受けていないと、審査に影響しますか? A: マネーフォワード 早期入金は、入金実績がない売掛先も買取対象としたうえで、請求書のほかに発注書などの証憑を求める場合があると記載しています(2026年11月1日確認)。それ以外に影響の有無や程度を公式に書いている会社は、当サイトの確認範囲ではありませんでした。MSFJは審査で入金実績などを確認し、RFDは起業したばかりでも入金実績があれば利用できるとし、ベストファクターは売掛先の取引年数等により上限を超えて取り扱える可能性があると記載しています(いずれも公式サイト・2026年10月31日確認)。入金の記録がない分は、取引を示す書類で補うことになります。
Q: 納品前の初回取引でも資金化できますか? A: 役務提供が完了している債権のみを対象とする会社(マネーフォワード 早期入金)がある一方、注文書段階に対応する会社(GMO BtoB早払いは受注金額の最大50%まで)や、見積りの段階でも対応すると表示する会社(トップ・マネジメント)もあります(いずれも公式サイト・2026年10月31日確認)。条件は検収前の請求書の記事をご覧ください。
Q: ファクタリング会社を初めて使う場合、金額の上限はありますか? A: ペイトナーは初回の利用枠を50万円とし、利用実績に応じて最大300万円まで拡大すると記載しています(公式サイト・2026年10月14日確認)。FREENANCEは初回利用時でも上限額なしと記載しています(公式サイト・2026年10月31日確認)。その他の会社は、初回の上限について当サイトの記録に記載がないため、申込時に確認してください。
まとめ
- 売掛先との初回取引の請求書を対象外とする会社は、当サイトの確認範囲ではありませんでした。対象と明記しているのはマネーフォワード 早期入金とラボルの2社です
- 初回取引では入金実績がまだないため、取引の内容を示す書類が中心になります
- 掲載36社のうち14社が、請求書のほかに契約書・発注書・納品書・取引先とのメールなど、売掛先との取引を示す書類を公式に挙げています
- QuQuMo・マネーフォワード 早期入金・ベストファクターなどは、請求額・入金日の確定や役務提供の完了を条件にしています。納品前の場合は、注文書段階に対応する会社か、検収後の申込を検討します
- 取適法4条・フリーランス法3条の対象となる取引では、取引条件の明示が義務づけられているため、明示を受けた書面やメールを保存しておくと取引を示す書類になります
- ファクタリング会社の初回利用では、利用枠(ペイトナー)、契約方法(JTC)、費用(カイポケ早期入金)、利用審査(GMO BtoB早払い)が2回目以降と異なる会社があります
各社の条件は変更される場合があります。ご利用前に、公式サイトにて最新情報をご確認ください。
